リップル(XRP)は、アメリカの「Ripple Inc.」が開発した仮想通貨です。
リップル社が開発する送金プラットフォーム「RippleNet」には、世界50カ国300社以上の金融機関が参加しています。日本の三菱UFJ銀行やみずほ銀行も関与しており、仮想通貨XRPを使った国際送金システムが国際送金ソリューションとして注目されています。
本記事では、そんなリップルについて初心者向けにわかりやすくまとめてみました。
リップルとは?
リップル(XRP)は、2012年に登場した仮想通貨です。現在の時価総額ランキングは6位です。
リップルは、カナダの開発者ライアン・フッガー氏によって開発され、2004年に基盤が誕生しました。2011年に共同開発者のジェド・マカレブ氏が次世代マイニングアルゴリズム「Proof of Consensus」を開発し、2013年に仮想通貨としての本格運用が始まりました。
リップルは現在の国際送金システムのスタンダードである「SWIFT」が抱える問題を解決するために開発されました。
従来の国際送金は時間がかかりコストも高いため、国際送金の手間とコストを削減できるリップルの国際送金システムに期待が高まります。
リップルの特徴
リップルには以下の5つの特徴があります。
中央管理システム
リップルはRipple Inc.によって、通貨の運営・管理が行われています。そのため特定の組織が管理する「中央集権型」の仮想通貨に分類されます。
現在の金融システムの問題を解決するには、ビットコインのような分散型システムよりも、責任の所在が明確な中央集権型システムの方が相性が良いと言われています。
リップルは、特殊な分散型台帳システム (XRP Ledger) を使用しており、従来の暗号通貨で使用されているブロックチェーンを使用していません。
総発行枚数は1000億枚
流通しているリップルコインの総数は約1000 億であり、これはビットコインの上限である約 2100万を超えています。また、1000億枚のリップルコインはすべて 2005年にリリースされ、それ以上のリリースされることはありません。
また発行されたトークンのほとんどがリップル社とその創設者によって所有されており、それらのすべてが市場に流通しているわけではありません。
ビットコインのような仮想通貨は、新たに発行された少量の通貨を市場に少しずつ流通させます。しかしリップルは、国際送金システムで使用するたびに消滅する仕組みであり、存在するコインの数が徐々に減少します。この仕組みが希少性を高めています。
リップル・トランザクション・プロトコル(RTXP)という送金システム
リップル・トランザクション・プロトコルは、さまざまな支払い方法と通貨間で安全な取引を可能にするインターレジャー プロトコル (ILP)と、シームレスな通貨取引のための分散台帳である「XRP Ledger」で構築されています。
現在の国際金融システムでは、日本円から米ドルへの国際送金は、SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications)の仕組みにより、時間と手数料がかかるため不便です。しかし、RTXPではリップルを仲介に利用し、「日本円→リップル→ドル」という仕組みになっているため、低コストで理論上数秒で送金できるというメリットがあります。
価値のインターネット(Internet of Value)を目標
リップルの目標は、価値あるインターネットを作成することです。
「価値のインターネット」とは、情報やデータをインターネットを介してすることで金融取引を即座に実行・完了できるシステムです。
証券や金などの非現金資産をインターネット経由で即座に取引できる経済を作ることを目標としています。
RippleNetという国際送金システム
リップル社は、「RippleNet」と呼ばれる独自の国際送金システムを構築し、価値のインターネットの実現を目指しています。
現在の国際送金システムSWIFTは、長い送金時間と高いコストを課題に抱えています。一方、RippleNetは国際送金にリップルを利用しているため、国際送金が即時・迅速・低コストで行われます。
リップルの将来性
リップルは以下の点から将来有望とされています。
速い送金速度と安価な手数料
「従来の国際送金システムの問題を解決する」ことを目的として、リップルは高速でてコストな国際送金サービスを実現しました。
このリップルの先進技術は多くの金融機関に認められ採用され、投資家からも強い支持を受けています。
またビットコインのような通貨とは異なり、リップルはリップル社によって管理されています。 この集中管理システムにより、リップルは他の通貨よりも迅速に取引の承認を行うことができます。
大企業による出資
世界の名だたるグローバル企業が投資を行っていることから、多くの投資家がリップルの今後に期待を寄せています。
リップルのブランド認知度が高まるにつれて、より多くの企業がリップルに投資することが期待されています。
世界50カ国300社以上もの金融機関が参加するRippleNet
RippleNetに参加することで、すべての金融機関はリップルの高速な国際決済システムを使用できるようになります。
今後その数が増えれば全世界をつなぐ金融システムがリップルによって構築されることになります。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団との連携
Microsoftのビル・ゲイツは、リップルの技術力を高く評価しています。
ビル・ゲイツと妻のメリンダによって設立されたビル&メリンダ・ゲイツ財団は、2017年10月にリップル社と提携しました。 そして発展途上国の銀行口座を持たない貧困層が利用できる決済プラットフォームを作ると発表しています。
また、そのために開発されたリップルの技術を活用したオープンソースソフトウェア「Mojaloop」をリリースしました。Mojaloopのローンチ以来、リップル社と財団は提携を続けています。
実用化の進展
リップルを使用した送金システムは着々と実用に向けて進んでおり、特に英国の決済サービス業者である「MercuryFX」はリップルの「xRapid」システムを採用しました。その結果、MercuryFXは通常の送金時間を大幅に短縮したようです。
まとめ
リップルについて初心者向けにわかりやすくまとめてみました。
リップルを商用利用する企業やプロジェクトも増えており、今後のさらなる発展が期待されています。
また情報が入り次第、随時更新していきます。